結婚式場の映像演出(オープニング・プロフィール)
こんにちは、アベニールの山﨑です。
今回は、結婚式のプロフィールムービーやオープニングムービーの未来を考えてみる。というお話です。
お?とうとう悟りでも開いたか?
ということではなく、今ある結婚式場で取り扱っているプロフィールムービーやオープニングムービーは、選ばれなくなってしまうのではないか?というかなり意味深な話です。(すみません、今回は新郎新婦さん向けの内容ではないです)
手作りや持ち込みが年々増加
結婚式のプロフィールムービーやオープニングムービー。
今までは決められた枚数をテンプレートにはめ込んでDVDにする。もしくは、打合せを行い、一つ一つの要望に応えてオリジナルで制作を行っている。
そんなのが式場の映像制作では一般的だったはずです。
その内容で3万円〜5万円という価格。もしくはそれ以上。
ある式場に聞いてみた所、新郎新婦がプロフィールムービーを手作りする、外注して持ってくる割合が6割を越えたそうです。
手作りや持ち込む理由は「節約したいから」と「頼みたいと思わないから」
格安業者の増加
新郎新婦から支持される内容をテンプレート化すれば、あとは自動的に売ることができる。
送られて来たデータを順番通りに読み込ませ、送られて来た文章をコピペする。
時給1000円でアルバイトを雇えば、1時間に数本のプロフィールムービーやオープニングムービーが完成する。
単純な作業と効率化を行うことで販売価格を新郎新婦が手を出しやすい価格に設定する。
費用を削減したい新郎新婦向けに1万円以下でインターネット販売を行っている業者が増えて来た。
しかも数年前に比べると、内容もクオリティもはるかに上がっています。
式場のサンプルを見て「古くさい」「今風じゃない」と新郎新婦が感じてしまうのも必然であり、
そのような映像商品を5万以上で販売している式場もある。
新郎新婦にとって、価格と内容に魅力を感じなくなっていることも受注率が減少している要因の一つ。
ネットで探せば1万円以下で、式場で頼むムービーよりずっとかわいいムービーが手に入るという現実がある。
AIや自動化が進む時代
コンビニの無人化、ドローンの配達、AIによるネット上での自動接客など、今は無人化・自動化だけでなく、かなり高精度なAIがさまざまな業種に導入されています。
結婚式で上映するオープニングムービーやプロフィールムービーも「AIシステム化・自動化ソフト」が進み、数年後にはデータを読み込ませると数分でムービーが出来上がるような仕組みが作られてしまう事は十分考えられると思います。
ただ、ブライダル業界は遅すぎるくらい自動化されていない業種だと思うのです。
娯楽産業のパチンコ店では10年以上も前から「自動計数機システム」を導入し、これまで手作業やスタッフが行っていたサービスや作業を、客がボタン一つで完結することができる全自動システム導入が進みました。
このシステムの導入により、従来の3〜4割減のスタッフ数で営業ができるようになり、
その自動化ができたことで、大手企業は年間の人件費を数千万円〜数億円も削減することができたという事実。
さらにパチンコ店を利用するユーザーにとって、今までの無駄な待ち時間がなくなり、利便性が格段に向上した。
ブライダル業界ではどうでしょうか?
仮に、別業種の企業がムービー制作の自動化システムを参入させてきた場合、今の式場が販売している商品に勝ち目があるとは到底思うことができません。
仮に、結婚式場との契約を独占し始めた場合、現在提携している映像会社も仕事がなくなります。
明るい未来が待っているのは、新郎新婦から選ばれる商品を自動化した仕組みであって、
従来の式場の仕組みでは、オープニングやプロフィールの受注率は確実に減るという未来。
顧客目線の思考が不可欠
一部の式場では「いかに自社の商品を選んでもらえるか」「持ち込ませないようにするか」という思考から生まれたプランが目立つように感じます。
例えば、パッケージプランや無料特典付きプラン。
とにかくプランの中にいれてしまえば、持ち込みされないだろう。みたいな持ち込み対策を見かけることがあります。
でも、新郎新婦からすると、総額は他の式場や今までの金額とそんな変わりがない。
プロフィールムービーも、そのパッケージの中に組み込んであることもある。
はたして新郎新婦は魅力を感じてるのでしょうか?
詰め込んだ内容のクオリティで新郎新婦は満足してくれるのかは、少し疑問に思えます。
ネットで頼めば式場より安くてかわいいムービーが手に入る。
この事実を「持ち込ませない」「プランに組み込む」ではなく、
「式場でしか頼めない魅力的な商品」を提供する方がよっぽど重要だと思います。
価格ではなく、価値を提供
結婚式の費用を抑えたいと考えている新郎新婦は多いと思いますが、
ちゃんとしたものを選びたい・結婚式だからこそ価値あるものを選びたい。
という新郎新婦も一定層は必ずいます。
そして、結婚式場の「人のチカラ」は、自動化だけでは決してできない、
新郎新婦が感じる「価値」や「他では味わえない優越感」を提供することができるはずです。
対策と変化
格安業者の増加には特徴が見受けられます。
ブライダル業者ではなく、異業種からの参入です。
そして販売している内容の仕組みは、ほぼ同じような仕組みであること。
販売することが目的であること。
一方で、結婚式の現場では販売することが目的ではないと思います。
ゲストにどう見てもらえるか?
どんな想いで結婚式を迎えるか?
新郎新婦によって、その想いやゲストの層も全く異なるはずです。
新郎新婦は、上映するプロフィールムービーや、オープニングムービーをゲストが見てどんな反応をするか、どんな印象を持ってもらいたいか?
その反応に「頼んでよかった」という上映するまでのプロセスがとても重要だと思います。
さらに、+αの要素を加えることができるのは、紛れもなく「人のチカラ」だと思います。
最近は結婚式場の悪いイメージの記事や、ニュースなどで結婚式離れがますます増えていくような流れもあります。
本来提供しているサービスや、プランナーの人一倍の努力など、伝わるべきものが表にでず、悪いイメージだけが拡散されていることが多くなってきました。
ブライダルの仕事をしている人は、新郎新婦さんが忘れないくらい素晴らしい結婚式を提供したい!喜ばれたい!という想いがある人が多いはずです。
だからこそ、今まで以上に「結婚式の価値」を未来の新郎新婦さん、ゲストに伝えていかなければならないと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。