式場見学で初めてもらう「結婚式場の見積り」
実は、どんな内容の見積りや条件で式場契約を行うかによって、式場で選べる内容・費用の範囲は決まってしまいます。
最初の見積りから最終見積りまでの道のりや変化する項目などを解説していきます。
最初は安かったのに、今ではこんなにも費用が膨らんでしまった!という多くの失敗談の元となる原因と理由を公開します。
ぜひ、これから結婚式場を選ぶ方や、最近見積りを貰った方は、
自分の理想とこれからの注意点をよく理解して、お二人の結婚式のお役に立てれば幸いです。
最初の見積りを見てみよう
まず、チェックすべき項目は以下の通りです。
上記項目をチェックしてみましょう。
もし、最低金額で記載されてる項目や、ゲスト人数の7割計算(招待状や引き出物など)されてるかなどがある場合、今後選ぶ内容によって費用が上がっていく可能性が高い見積りになっていると考えてください。
もちろん、そのままの金額・見積りの内容で結婚式ができないことはありませんが・・・
ゲストへ関わる項目は失礼の無い内容を選ぶことが大切です。
総合計の金額が記載されていると思いますが、その付近にゲスト1人当たり30,000円に近い数字が書かれていませんか?
総額:2,850,000円(お一人様¥28,500-)
ご祝儀の金額は、ゲスト1人辺り30,000円が一般的常識とされている金額です。
この見積りで1人当たりが30,000円に近いと、ご祝儀でまかなえるような気になりますね。
「見積もりから足が出た分は、お二人がこれから選ばれていくものなので、ご予算に合わせて選べますよ」
と、式場から説明されることも多くあるかと思います。
このような見積もりを最初に提示することで、新郎新婦が申し込みしやすい見積りになっていることがあります。
つまり、最初の見積りは選びやすい金額(決めてもらうため)と内容の見せ方があるということです。
また、式場によって値引きの見せ方が違います。
引き出物や引き菓子、招待状などのペーパーアイテムなど、ゲスト人数で変動する項目を何割計算するかで金額も大きく変わってきます。
金額が大きく変わる項目に、どのランクの商品(衣装や写真、映像など)を入れるかによって、見積もりの総額をどのように見せるか?という式場側でもある程度調整することが可能ということ。
ゲスト1人辺りの単価。つまり、ゲスト人数×3万円に近い総額で見積もりを提示することもできるということですね。
※ゲスト人数が少なければゲスト単価は上がり、多くなれば下がります。
例:ゲスト150名の場合、総額が450万だとゲスト単価は3万円。ゲスト50名の場合、総額が200万だと4万円。
式場ごとに違う値引きの仕方
「この式場が値引きが大きいよね」
「たくさん値引きしてくれたよね」
数件の式場から見積もりをもらう場合、値引き金額には当然、差が出てきます。
ただし、見積もりの項目の定価の金額や項目は、他の式場ではどのような違いがありますか?
式場によって見積り項目・金額と、その値引き金額の見せ方が異なります。
よくあるパターンとして、
・値引きによく利用される項目
貸切料金、ブライズルーム使用料、親族控室使用料など、100%値引きや50%値引きになってませんか?
・挙式料金が高額設定な式場の場合
挙式料金プレゼントキャンペーン、25万円が今なら無料です!や、挙式料金50%値引きなど。
上記のような見積り項目にはあるものの、実質的に値引きされている項目があることが多くあります。
例え総額が一緒でも、値引き金額が大きい見積りの方が何となくお得になった気がしませんか?
それでは見積もり金額と値引きの関係性について詳しく見ていきましょう。
値引きの仕方と見せ方の違いについて
結婚式場によって見積りの項目や値引きの仕方が異なりますが、大きく分けて2パターンあります。
・総額から一括して値引きしてある場合
・各項目から◯%値引きと記載されている場合
たったこれだけの違いでも、今後の見積もりに大きく影響してきます。
一括値引きの場合
総額から一括値引きされている場合、料理ランクアップや、引出物を追加するなどの追加項目がある場合、定価がそのまま上乗せされることになります。
→後から追加する金額が定価になる
項目別値引きの場合
各項目に値引きがある場合、料理ランクアップしても割引された内容(5%~15%値引きなど)が加算されていきます。
引出物・引き菓子・ドリンクなども同じように○%値引きと記載されている場合もこれに当てはまります。
→値引きされている金額が追加されていく。
引出物、引菓子が必ず上がる仕組み
前の項目に、ゲスト人数が何割計算されてるかが重要と述べましたが、「引出物、引菓子」は、見積もりに記載されている金額より、必ず上がる項目になります。
その理由は、引き出物の見積もりには一律3000円で記載されていることが多いですが、ゲスト全員に3000円の引き出物を渡すことはほとんどありません。
夫婦で参列される方へは最低5000円、来賓や上司、恩師へも4000円〜10000円の引き出物を選ぶことが多いからです。
そして、ゲストの層によって選ぶ内容も変わってくるのが一般的だからです。
これは新郎新婦さんによって異なる項目でもあることから、式場でも最初は一律3000円で見積もりに記載することが多いです。
ゲスト100名で見積りした場合
見積りには下記の個数で表記されているケースがあります。
引出物 70個 3,000円
引菓子 70個 1,000円
とあった場合、ご夫婦で参加される方には一つでいいです。と説明があります。
ゲストの中に夫婦で参加される方々が15組ってことですね。
ご親族の中には夫婦で招く方々もいらっしゃると思いますが、ご夫婦で出席される方へ引出物3000円・引菓子1000円の物をお返しするのは、ちょっと非常識になってしまします。
一般的に引出物は「ご祝儀の1割返し」と言われています。
ご祝儀を3万円頂いたら3,000円の引出物をお返しする。これが最低ラインだと思っていてください。
これは「お二人のお気持ち」がとても関わってくる内容になりますが、
お世話になった方や友人がお二人の為に結婚式へ参加して頂き、お祝いにお金をくれるんです。
引出物は「お礼を込めたお返し」になりますよね?
夫婦で参列される方はご祝儀袋に連名でお持ちになられます。
この場合、最低でも5万円は包むことが一般的ですので、準備する引出物も夫婦で1つになります。
夫婦で参列される方々へは、最低でも5,000円以上の引出物を選びましょう。
夫婦で参加される方や、ご祝儀をたくさん包まれそうなゲストへは、失礼のないように5,000円~8,000円、もしくは10,000円の物を準備します。
ところが、最初の見積りには3000円で統一してる場合が多いです。
このことから、引出物や引菓子の項目が必ず上がる。という理由がお分かり頂けたかと思います。
ペーパー系の手作りはゲスト人数次第
手作りアイテムの定番としてあるのが、ペーパーアイテムです。
・招待状
・席次表
・席札
・メニュー表
※席次表記載やサービスの場合も有ります
一般的な式場での見積り金額は以下の通り
・招待状 350円〜
・席次表 450円〜
・席札 150円〜
上記項目も同様に、紙質やデザインなどをこだわると金額も増えます。「表題にはゲスト人数次第」と書きましたが、これがどういうことかを説明します。
ペーパーアイテムは、ほとんどの式場で持ち込みが可能
この場合、新郎新婦が手作りする方法と、専門業者へ依頼するパターンに分かれます。実際のことろ、どのくらいの予算で作れるかという話ですが、節約メインな場合で記載します。
手作り・専門店へ依頼した場合
招待状 200円~300円
席次表 300円~350円
席札 50円~100円
と、若干安くすることが可能です。
差額は1人当たり約250円~400円安くすることが可能です。これをゲスト人数で掛け算します。
すると、式場へ依頼した場合と手作りや専門店へ依頼した時の差額がでます。
仮に300円安くだきたと仮定すれば、
ゲスト人数 100名 × 差額300円 = 30,000円
というような金額が節約可能になってきます。
ここで考えることが一つあります。
人数が少ない場合、当然節約可能な差額も少なくなります。
仮に50名だとすると、15,000円安くすることが可能になりますが、最近ペーパーアイテムの値引きを入れている式場もあります。
もし、20%以上値引きされている場合、手作りしたり、専門店へ依頼した場合の差額が少なくなります。
そして、このペーパーアイテムを手作りする作業時間、パソコンのスキル、プリンターを持っているのかなど、普段の生活に加えて作る時間が必要になります。
20,000円以上安くできるのであれば、手作りされることを勧めますが、5,000円程度しか変わらない場合は、他の事に時間を費やした方が精神的にも肉体的にも負担にならずに準備も楽になります。
ゲストが120名超える場合は、手作り(もしくは外注)がおすすめ。
制作時間が取れない・ゲスト人数が少ない場合は、式場で依頼するのがおすすめ。
準備を進めると追加になる項目は?
式場と打ち合わせや、式の準備が始まるのは約3ヶ月前になります。
3ヶ月前になると招待状の準備から始まり、ゲストのリストアップ、住所や名前、招待状のデザイン決めを行います。
もし、手作りや専門店へ依頼する場合は、少し早めに準備されることをお勧めします。
招待状のリストアップが始まったら、その他の打ち合わせが少しずつ増えていきます。
打ち合わせの中で決まったり、追加になるのが以下の項目です。
・料理単価
・飲み物単価
・招待状、席次の単価
・会場装花
・引出物、引菓子
・プチギフト
・演出系アイテム(バルーンやキャンドル)
・衣装ランクアップ
・前撮り、アルバムなどの写真全般
・プロフィールムービーやエンドロールなどの映像全般
招待するゲストの人数が変われば総額が変動する項目もあります。
それがゲストへ対する内容の項目です。特に料理は大きく影響する項目です。
・10,000円の料理から13,500円に上げる。
・ゲスト人数120名
・120名×3500円=420,000円
消費税とサービス料などを加えると、約50万円の追加料金になることになります。
最初の見積りから100万円上がった!などよく聞いたりしますが、最初の見積りの内容次第では十分ありえますし、もっと上がることもあります。
また、結婚式はお二人だけのお話ではなく、両家のご両親も招待側になります。
ですので、式場を決める段階や料理など、ご両親にも安心してもらえるように「一言」報告されてみてください。
中には両親に何も言わないで式場を決めてしまった新郎新婦が、両親から猛反対されて、式場をキャンセルした。というお話もあります。
今は「二人のことだから、あなた達で決めなさい」というご両親も多いと思いますが、「報告」や「決める前のひとこと」を忘れないようにしましょう。
ご両親が気にされる項目の中に多いのが「料理」「費用」です。
特に料理がゲストへのおもてなしになりますので、失礼のないように良い物を選ばれると安心されます。
ただ、結婚式の費用も上がってしまうのが現実です。自分達の予算とやりたいことを叶える為にどうすればいいかをよく考える必要があります。
結婚式への想いは”人それぞれ”
様々な項目のなかで「お二人にとっての優先順位」が出てきます。
この優先順位は“最初からではなく、打合せを進めていくと出てくる”ということがよくあります。
結婚式は初めてのことで、分からない事がたくさんあると思いますが、式場のサンプルや見本、ブライダルフェアの模擬挙式や披露宴に参加し、自分のイメージを膨らませることも”優先順位を決める”一つの方法です。
例えば、
「できるだけ安くすませたいけど、ゲストが食べる料理などはお金をかけて披露宴も楽しんで貰いたい」
というお二人へは、ゲストへのお食事や飲み物にはしっかりお金をかけ、自分達が選ぶ衣装や写真などの費用を抑える。
自分達が選ぶ内容を持ち込み、外部で依頼する、手作りすることで総額を節約したりする。という選択肢を考える事ができますね。
実際にあった話
最近、持ち込みに対して規制を厳しくしている式場と、緩和している式場の差が開いてるように感じます。
先に式場を決めて、後から上記に書いているように映像や写真などを外部に頼むつもりでも、一度式場と契約してしまうとそれができない可能性が高くなってます。
とある新郎新婦さんは式場と契約した後に、希望していた映像がその式場では作れないことがわかりました。なので外部の映像会社へ依頼しようとしましたが、
式場からは「外部カメラマンを持ち込みする場合、見積りの値引きがなくなりますよ」と言われ、値引きが無くなるととんでもない金額になると思い、本当は頼みたかったことができない。という事になりました。
みなさんはどう思いますか?
確かに契約とはそういうものなので、一度規約や持ち込み条件などを聞いて納得した上で契約しているはずです。なので式場からすると、契約違反になりますから値引きはなくしますよ。ということです。
ところが新郎新婦にとって、今まで書いた見積りの内容や見方などを、契約時の段階で理解していることは稀です。
むしろ、「後から決めて大丈夫だろう」と安易な感覚な方が多いかもしれません。
契約時には「知らない」ことの方が多いです。今から結婚式場を決めようと思われている方は、特に覚えていてください。
結婚式場と契約する段階が1番重要です。
「あとから変更することは可能です。」というのは、あくまでも式場で選ぶ場合です。
また、止む終えず挙式日程を変更しなければならない場合でも、値引きや総額が変わったり、手数料が必要な場合もありますので、契約時に色んな疑問や質問ができるように知識を持つことがこれからはとても重要になります。
では、なぜ最初から具体的な見積りがでないのか?
式場側の事情をお話しすると、最初の金額提示の段階で他社式場へ行くリスクを減らす。という理由もあります。
式場側からすると新郎新婦さんは自社式場以外に、数件の結婚式場の見積りをもらっていることは明白です。
競合先に打ち勝つ為にも、最初から本来かかるであろう金額を、あえて出さない式場も中には存在します。
これは、ある式場の営業担当の方から聞いた内容です。
理由は、最初から現実(その式場の平均単価)を提示してしまうと、最初の見積り段階で候補から外れてしまうというリスクを回避する為に、会社から指示がでている。という話でした。
式場A:300万円←50万円も差があるから魅力的
式場B:350万円←具体的な見積り提示
金額が50万以上違ってくると、敬遠したくなるのが新郎新婦の心理です。50万円も式場Bより安かったら、心は動きますよね。
ただ、この式場Aさん。実は地域の中で人気も金額もTop3に入る式場だと・・・。
式場A:420万円←最初の見積りが安かった為、結果的に120万プラス
式場B:370万円←最初の具体的な見積りから若干の変動
これは正直なところ・・よくあります。
さらに、このような状態になってからの費用の相談があることが多いのも事実です。
周りや友人からの情報で「そこの式場は高いよ〜」と聞いていても、最初の見積りは300万円ですので、「そこまでは上がらないでしょう。。」と思われるようです。
あとから金額が跳ね上がることも多いと聞いても、新郎新婦にとってその式場が魅力的に見えてしまうと“自分達は大丈夫だろう。”という心理になるのです。
心理学的にも「都合の悪い情報は無意識にシャットアウトする」「都合の良い方に解釈をする」ということは人間の行動心理みたいです・・。
式場にも事情があります
式場側としても、新郎新婦さんの為を思って具体的な見積りを新郎新婦に提示したい!というスタッフさんもいるのですが、競合先が最低ラインで表示してくると、最初の見積もり内容を合わせないと契約に結びつかないらしいのです。
この話は昔からずっとあります。
新郎新婦さんにとって結婚式場の見積りは「何が高く、具体的で、現実的なのかわからない」のが現実です。
比べるとしたら、金額と式場の雰囲気とスタッフの対応しかありません。
例えば、スナップ写真アルバム。
B式場の見積り 120,000円
とあれば、B式場の方が安い。と思われがちですが、見積りの時点では、二人が欲しくなるアルバムが実際いくらになるかは全くわかりません。
最初はB式場の見積りが安いように見えますが、実は多くでているアルバムは20万円。ということも珍しくありません。A式場の15万円は1番頼まれてるアルバムかもしれません。
つまり、金額だけで判断ができない項目があるのです。同じ項目でも中身は式場によって様々です。
式場側からすると、「選ばれるものによって金額が変わります」と説明しますし嘘はついていないのです。二人が選ばれる内容で金額が変わるのは当然の事だからです。
結婚式は「提示されてる見積り金額」でしか判断できないことが多いです。
もっと分かりやすくいうと、実際に商品やサービスを見る前(体感する前)に「金額だけを見て判断しなければならない」という仕組みがあります。
式場としては新規のお客様を獲得するために、周囲の式場が出す見積りに合わせる必要がある為、最初から具体的な見積りがだせないという事情もあるのです。
全ての式場が上記のような見積もりを提示しているかというと、そうではなく、このような想いで式場見学へ来られた新郎新婦へ説明をしている式場もあります。
「私たちは本当に具体的な見積りを提示してます。理由は、後から◯◯万円も上がってしまう見積りを作ると、結果的に新郎新婦の負担が増えてしまい、結婚式の準備を楽しんで貰えないからです」
という、お二人の場合はどうなるか?という具体的な内容を決めながら見積りを提示してくれる式場もあります。
このような対応をしてくれる結婚式場の方が、結婚式の準備期間や当日まで新郎新婦の要望や希望を叶える為に色々考えてくれることが多いです。
まとめ
今回は式場の見積り内容や値引きの仕方を重点的にお話しました。これを読むと、なぜ見積もり金額が上がったという話になるのか、少しご理解頂けたのではないでしょうか。
ただ、結婚式は本当に素晴らしい1日になります。
今までお世話になった方や、友人から祝福され、これからの新しい人生の出発点になる大切な1日です。
だからこそ「金額が上がりすぎてそれどころじゃなくなった」「本当にやりたかったことが金銭的な理由で諦めた」など、結婚式で後悔してほしくないと心から願っています。
その為には「自分達が望む結婚式をする為の情報と知識」が必要ではないかと思います。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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